そして手にした一杯

秋が終わり、久しぶりに記憶に残りそうな釣行ができたので、熱が冷めないうちにブログを書いてみました。(写真少なめ、文章多めです)
12月の満月前の潮回りはイベントの準備でてんやわんやだったので、エギングなど行けるはずもなく…しかし、周りではイカが釣れていて超フラストレーション…

ようやく釣りに行けるというタイミング。同じトラセンテスターの土井さんと前々から予定を合わせていた12/8の満月大潮での釣行です。
エギングに行くことだけは決めていたけど、どこに行くかは直前まで全く決めてない…直前に行く場所を決めるのが、僕の基本スタイルです。

なので、どこ行くかめっちゃ迷う…正直、久しぶりのエギングなので確実にイカは触っておきたい…けど、デカいイカも釣りたい!
時間的猶予は深夜出発の丸一日プラス半日。つまり40時間ほど。近場で遊ぶには十分だけど、二日分の睡眠を考えると遠くに行くにはちょっと物足りない…
状況のわかっている南紀に行くか、ここ数年開拓している四国に行くか。そもそも、デイゲームメインで行くかナイトゲームメインで行くか。秋が終わるにつれて沖の深場に落ちる個体も増え、水深のあるエリアやナイトゲームに分が出てくるのは間違いない。

「一番デカいのが釣れそうな釣りしましょう!(鰹も食べれるし)」
ということで、移動時間に全振りして高知へ行き、昼間は美味しいカツオでも食べて、昼過ぎから軽く状況チェックして、夜の満潮からの下げ始めから干潮潮止まりまでの4時間ほどに全てを賭けることに決定しました。ちなみに、12/8の夜の満潮は17:40頃、干潮は24:20頃。

そうと決まれば、善は急げ!まずはカツオがおいしい食堂を目指します!夜のうちに可能な限り西へ!
しかし、愛媛あたりまできたところで同行者の土井さんが不穏なことを言い出す…
「せっかく愛媛まできたし、朝マズメ宇和海でアジングしたい…」
「道具、Batuta80しかないですやん」
「釣具屋行けばいいやん」
「……(フロートとアジングワーム一式ならありましたよ…)」
「行こう!テンション上がってきた!」
個人的にも晩秋から初冬のイカが深場に落ちるタイミングでの宇和海のエギングには非常に興味があったので、もちろん僕も大賛成(睡眠時間だけが削れていきますが)。

深夜、土井さん一押しアジングポイントに到着しました。僕がイメージしていた通りの水深のある漁港。墨跡もちらほら。やはり、初場所はワクワクが止まりません。
潮的には微妙だけれど、早速準備して実釣スタート!堤防の先端まで行くと、街灯下で新子のイカがイワシを摘んでるのが見れるほどの状況。これはもらったのでは?夢と希望の第一投!
…第二投。「よっしゃ!食った!」
釣りあげたのは土井さん(笑)。Batuta80に10.5gのフロートと1gのジグヘッドで楽しそうにアジを釣っています。「Batuta80、やっぱりめっちゃやり易い!」
楽しそうな土井さんを横目にエギをしゃくる山田ですが、うんともすんとも反応なし…
どうしようかなぁとか思っていると、僕のところへ土井さんが走ってきて「こましなイカがベイト食ってる!」とのこと。
すぐさま現場へ。街灯下で700gくらいのイカがふらついているではないですか。これはもらった!と思って、イカの横をただ巻きで通してみると…アレ?沈んでいきました(チーン)。

そうこうしているうちに堤防は人だらけに。話を聞いてみると、どうやらヤズがまわっているとのこと。街灯下には、時折、カマスやイワシの姿も見え、雰囲気はムンムン。これって、ワンチャン朝マズメ青物エグいのでは?
ということで、車にカレンテス98sを取りに行き、青物も狙えるセットも手元に準備。ちなみに、土井さんは変わらずバトゥータアジングを楽しんでおられます笑笑。

初冬のデカイカJourney
凪の海で、静かに掛かった一杯。

この日を振り返って

朝マズメまであと1時間ほど。これで迷いなくエギングに集中できるというもの(睡眠時間は減るけど)。ミオ筋からの潮が若干ヨレる堤防の先端を陣取り回遊待ち。ボトム付近をめちゃくちゃ丁寧に誘い続ける。そして、明るくなる前にヒット!久しぶりのキロupの引き!やはり、イカの引きはたまりませんね!
上がってきたの余裕のキロアップ!釣りたかったシチュエーションで釣れた一杯は格別!それが、初場所ならばなおのこと!寄り道してよかった!(笑)

しかし、この一杯を釣った後に上げの潮は止まり、満潮潮止まりへ突入した模様。その後、潮は止まったまま。朝マズメ!何もありませんでした!そのまま、死んだように眠り、12時前起床。

とりあえず、今回のメインの目的の一つのカツオを食しに!うんまい!良いイカも釣れたし、美味いカツオも食ったし、正直、もう帰って良いくらいの満足度(笑)。こうなってくると、あとは昨晩よりデカいイカを釣るだけ!

という訳で、いざ、本命のエリアへ。入りたい場所の候補は三箇所ほど。とりあえず、高台からそれぞれの磯周りの潮目の入り方を確認する作業を。潮目が岸に寄っていて、どこも良さそう…しかし、まだウネリも残っており安全のために迷わず一番ウネリの無いポイントへin。ここから深夜にかけてウネリが落ちる予報なので、釣況次第で夕まずめ後に移動する作戦です。

ポイントに着いて一投目、上から見た時の予想通りのめちゃくちゃ釣れそうな潮流。居るなら一撃で食ってくること間違いない潮にいきなりテンションはMAX。本命は日が落ちてからとわかっていながらも、やめられない…(笑)。僕らのハイテンションとは裏腹に反応しないイカ…このポイントはあまりイカが入っていないのか?と不安がよぎる。しかし、ここで移動しても夕まずめを逃すので、この潮と夕まずめのパワーに期待します。

そして、日没。…………潮が止まる。これが太平洋側の大潮の残念なところ。ちょうどこれからという時間に満潮潮止まりを迎えるのが大潮…惰性でマズメも動いてくれたらよかったのですが、やはり今朝と同じでマズメに潮のパワーは効かずじまいでした。
しかし、夕まずめの明るさが無くなりきる前になんとか一本。狙いのサイズではないものの、夕まずめを逃さずキャッチできたので一安心です。そして、月が出るタイミングで土井さんも一杯追加。とは言え、潮が効いていないのでなかなかサイズが出ません…

やはり、最初の想定通り下げ始めから干潮が良さそうな雰囲気。明るいうちこそ反応の無かったものの、潮が緩いタイミングでも口を使ってきてくれたこともあって本命の4時間をここに費やすことに決定。覚悟を決めて、深夜までこの磯と心中します。

そして、下げ三分。潮が動かない…反応のないまま1時間が経過…大潮は沿岸の潮が全然動かないこともあるので、まだ焦らない…
下げ五分。夕方前ほどでは無いものの、ついに潮が動いた!ここからパーティーの始まりか!?と思い、少し重めのエギでテンポ良く広範囲にアピール!いつでも来い!と密かに上るテンション。そして、30分後…
…潮が止まる。しかも、もはや池みたいに止まる。当て潮とかでもなく、ただの無。なんでやねん!?
潮が効いた次の一投で食ってこなかった時点で違和感はあったけど、ここまでとは…下げ始めから干潮までダラダラ潮が続いてくれたらなぁとか淡い期待をしていましたが、やはり、そううまく行かないのが大潮。満潮から3時間後に30分軽く動いただけ。食わせるなら確実にこのタイミングだったけれど、食わせきれなかった…
今思えば、ここまでで釣れた時のアタリもエギを持っていくようなアタリではなく、なんとなくラインに違和感が出るだけのほぼ居食いに近い食い方。しかも、全部ボトム付近を丁寧にスラックジャークで寄せて食わせていたし…

初冬のデカイカJourney
透き通ったボディの、若いイカ。

釣行のきっかけ

もちろん、イカがいなかった可能性もあるけど、潮が動いたタイミングのアプローチが間違ってたのは間違いなさそう。結局、何が正解かはわからないけれど、とりあえずここからはイカの活性が低いと想定して、潮が効いてもスローに落ちるエギでボトムを可能な限りネチネチ…ネチネチ…でいこうと自分の中での方針転換。とは言ったものの、まだ潮が死んでるんですけどね(笑)。

流石に反応もないのにここまで潮が無いとやる気も出ないので、お湯沸かしてラーメン食って作戦会議。磯で食うラーメンは最高だし、こういう時こそ切り替えが大事です。干潮潮止まりの時合だけ別の磯に行くのもありという話も出たけれど、なんとなく他の磯も状況は同じような気がしたので、当初の予定通りこの磯と心中する。

仕切り直して、時間は22:30。まだ潮が死んでる…そして、23:00頃。待望の干潮前の潮が効き出す。潮が効き出した次の一投をめちゃくちゃ時間をかけて丁寧に誘う。しかし、反応はない。二投目…三投目…一投に10分近くかけて丁寧に丁寧に誘い続ける。
使っているエギはエメラルダスラトル3.5号。3.75秒/mと気持ち遅いフォールスピード。アングラーがテンションをかけることも可能な少し頭下がりの姿勢。この二つの要素が水深のある外洋の磯でも姿勢を安定させつつゆっくりとしたフォールを実現してくれています。冬の穏やかな磯(穏やかと言っても、漁港内や湾奥に比べるとかなりウネリもあるような微妙な状況)の緩い払い出す潮を微妙なテンション感で落としていける最高のエギです。このエギに何度助けられたことか…(マジで…なんでこのエギ廃盤なってしまったんや…)

そして、23:20。ラインに違和感。勢い良く持っていかないのは想定済み。ビシッ!と合わせを入れると、そこにはイカの重み!
次の瞬間…………重みが抜ける。「っやってもうたぁぁぁぁ」。スラックを出して誘っていたせいで、合わせが効かなかったのか?いきなりボルテージMAXかと思いきや絶望…
っん?意気消沈しているとあることに気づく。さっきまでは、しゃくった後何もしなければエギが潮に引っ張られて勝手に糸が張り自動的にテンションフォールになっていたのに、今はまだエギの重みが竿に来ていないことに。もしや?と思い、今度は弛んだ糸を巻き取ってから思いっきりフッキング!!!!
そこにあったのはイカの重み!そして、走り出すドラグ!「よっしゃ!ノッたぁぁああ!」
秋シーズンでは味わうことのできなかった久しぶりのデカいイカの引き。春本番のサイズに比べると小さいかもしれないが、この数ヶ月釣ってきた数百gのイカとは比べものにならない桁違いの引き。
Batuta80Sが潮を教えてくれたおかげで丁寧に食わせることが出来た一杯。色々と試行錯誤しながら辿りついた一杯は何事にも変えがたい。嗚呼、最高。

残り干潮まで1時間。最後の止まる間際にワンチャンあるかもと思い投げること30分。左に流れていた潮が右に流れ出す。これはと思い丁寧に誘うとラインに違和感。ここまで人間感度が上がると慣れたもので、完璧にフッキング!
あがってきたのはかわいいサイズ。この後、すぐ潮も緩み、納竿。

今回改めて思ったのが、潮を感じることでエギングが何倍も何十倍も楽しくなるということ。この結果だけ見ると、何も考えずにこの磯に入って夕方から24時まで数時間しゃくっていれば良いじゃんと思う方もいるでしょう。しかし、その瞬間瞬間の潮を感じて、そこから海の中を想像し集中するタイミングや攻め方を考えていくことで、一見するとただ投げているだけの回遊待ちの釣りも最高にワクワクするゲームとなり得ると僕は思うのです。
今回書いたように、ただ投げて待つだけの回遊待ちの釣りにも自分の中ではこれだけのストーリーがあります。そして、想像通りに釣れたイカは一生忘れることのないトロフィーフィッシュとなります。

一投一投変わる潮を読みながらエギを投じるディープの潮場での釣り。この釣りは長い冬の夜が一瞬に感じてしまう程。徐々にサイズも上がりどんどんと面白くなるこれからの季節。
僕はやっぱりエギングが一番好き!!